モノを売る時に絶対おさえておきたい「5つの感情」

人の行動、消費にはロジックだけではなく「感情」が大きく影響することは、いろいろな人が言及されていて、近年注目を浴びている「行動経済学」「消費者行動論」はこの分野を学問的に解き明かした内容になっています。

ちなみに行動経済学の著書はとても興味深いのでご紹介します。

◆「予想どおりに不合理」ダン・アリエリー(2013 ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

私自身もそういった内容に興味をもち、日ごろ従事しているマーケティングの経験から「人の感情」というものの重要性は強く感じています。

ということで、WEBやDM、対面営業において必ず押さえておきたい顧客の感情を5つにまとめました。ぜひご参考ください。

①自分の生活がどう変わるかを知りたい
②興味をもってくれる人には興味が出る
③特定されればされるほど響く
④第三者から聞くと信頼できる
⑤今決めるのはストレスフル

①自分の生活がどう変わるかを知りたい

この感情を押さえて成功した代表例がAppleの広告だと思います。Appleの広告は、iPhoneやiPadの商品機能の羅列はしません。その商品を使っている顧客のシーンをCM等で大々的に提示し、この商品があるとその人の生活がどう変わるのかということを伝えています。

言い換えると、スペックだけではなくメリットまで伝える」ということです。スペックとは、その商品の機能のことで、iPhoneであれば「いつでも通話やネットができる」「何千曲も音楽を入れられる」「キレイな写真を撮って何千枚も保存できる」というような商品に関する話です。

一方でメリットとは、「旅行先でも大好きな音楽を楽しんで充実した時間にできる」「大切な友達や家族との写真を気軽に撮って、思い出に残せる」など、そのお客さん自身の生活に関係する話です。

人は、モノの機能自体そのものではなく、自分にどんなメリットをもたらしてくれるのかに強い関心があるいうことですね。そこを踏まえた上でのセールスコミュニケーションは非常に重要だと思います。

すべての感情の土台となる考え方ですが、基本的に人の興味・関心は「自分自身」に向いています。ですので、「この商品はこんなにすごいんです!」と言われても自分事化できません。一方で、「こういったTV通話ができるスマホがあれば、ご家族もお孫さんのお顔が見れて嬉しいですよね!」「ここでボディのケアをしっかり行って、理想の体型に近づけられれば、夏には自信になりますね!」など、お客さんが主語となるような言葉を使うと、自分事化できて、スッと頭に入ります。

② 興味をもってくれる人には興味が出る

手から好意を示されると、自分も好意的にその人を見るようになるなんてことはないでしょうか?相手からの行為を、簡単に無碍にはできないのが人の感情です。だからこそ、コミュニケーションの上では相手に「私はあなたに興味があるよ」「あなたの気持ちを理解しているよ」と伝えることが重要です。

これはセールスコミュニケーションでも同じです。例えば、WEBやチラシなので「こんなお悩みありませんか!?」「xxxって不安ですよね…」みたいな見出しを見たことはないでしょうか。これも、受け手に共感してもらい、「あなたの気持ちや不安を理解してますよ!」ということを伝えるためです。

他にも、企業から送られているダイレクトメールやWEBサイト、メルマガで、商品の紹介だけをするのではなく、お役立ち情報のような記事が掲載されているものを見かけることがないでしょうか。これも、企業はボランティアでやっているわけではなく、お客さんに共感・納得してもらえるような情報を提供して、興味を引くための施策です。

③ 特定されればされるほど響く

スマホそしてインターネットの普及で、ここ10~15年の市場情報量は爆発的に増えたと言われています。人が処理できる情報量をはるかに超えてしまっているんですね。そんな中で、人は自然と自分に必要な情報を、取捨選択しています。

何等かのセールスを行うということは、そのような状態の中で、こちらの話を聞いてもらう必要があるということなので大変なことです。だからこそ、聞いて欲しいお客さんをできる限り特定して情報を発信していく」必要があるのです。

例えば、ガヤガヤしてうるさい居酒屋やイベント会場などで、ふいにどこからか自分の名前を呼ばれると、とっさに反応するということがあると思います。他の言葉なら聞き取れないような場所であっても。

広告物の場合、受け手の名前を呼ぶことはできないので、東京都目黒区にお住まいのご家族へ」ですとか、体型のゆるみが気になる30代のサラリーマンのアナタへ」などの見出しをつけることで、「自分に関係のあることだ!」と思ってもらい、閲読を促すことができます。日本一のマーケターと言われる神田昌典さんの主張でもあります。

対面でのセールスの場合は、単純に相手の名前を呼ぶことにも効果があります。xxという不安をお持ちのxx様にはこういった使い方がオススメです」のようなイメージで、相手の名前を敢えて呼ぶということです。間違っても「これはみなさんにお伝えしていることなのですが」と前置きをして商品説明してしまうと、単なる営業とみなされてしまいますし、お客さんも自分事化できません。

「あなたの困りや不安を解決するための商品なんですよ!」ということを伝えることが大切なんですね。

④ 第三者から聞くと信頼できる

これは言わずもがなかもしれませんが、そこにいない第三者の人の言葉というのは説得力があるものです。例えば仕事で、直接褒められるのもうれしいのですが、「xx課長があなたのことをとても優秀だって褒めていたよ」又聞きすると、そのうれしさは倍増するのではないでしょうか。

この感情は、いかに「体験談・口コミ」いわゆる「レビュー」が重要かということの裏付けです。今やだれもが使っているAmazonや、ぐるなびや食べログなどのサイトも「体験者のレビュー」は非常に重要な要素になっています。

さらに、勢いの止まらないUber(個人タクシーと顧客のマッチングサービス)や、Arbnb(民泊のマッチングサービス)も、レビューによって成立しています。通常の広告物にも顧客のリアルな体験談を入れたり、「顧客満足度90%!」などの顧客の声を入れることは、当たり前のようですが、かなり重要なんですね。

対面営業で有効と言われてる「第三者話法」もこの原理です。「この商品、こんなにすごいんです!」と営業マンが説明するよりも、「利用いただいているお客様には、よくxxxという嬉しいお声をいただいているんですよ!」と説明したほうが説得力が変わります。

⑤ 「今」決めるのはストレスフル

多くの人にとって、「変化」はストレスです。それが良い変化であっても悪い変化であっても。英会話教室でも歯医者でもスポーツジムでもいいのですが、何かのサービスを継続的に利用していて、そこに少し不満があったとします。ふつうに考えるともっと良いところを探せばいいと思うのですが、「まあ今のままでいいか」と思ってしばらくはそれを継続してしまうということはないでしょうか。

私の場合は美容室で同じような経験があります。素人目から見てもそんなに上手くない美容師さんだったので、いつも「次からは別のお店を探そう」と思うのですが、家の近くで安かったのでついつい「まあ今回はここでいいか…」と同じお店を利用してしまうことがしばらく続きました。新しいものを利用するというのは、ほんの少しですが勇気が必要であり、決断することはストレスフルなのです。

だからこそ、お客さんには「今なぜ必要か」ということをしっかりと伝える必要があります。「新生活が始まる今だからこそ!」とか「お子さまが生まれるこの機会を逃さずに!」とか、お客さんにとって、今決断する必然性を言葉に出して(文章として)伝えることは、クロージング効果が非常に高い手法です。

まとめ

モノを売る上で絶対押さえたい5つの感情は
①自分の生活がどう変わるかを知りたい
②興味をもってくれる人には興味が出る
③特定されればされるほど響く
④第三者から聞くと信頼できる
⑤今決めるのはストレスフル

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