マーケティングという仕事を理解するために、マーケターを分解してみた

マーケティングという仕事について、いつのまにやら8年目を迎えました。面白いことも辛いこともありますが、マーケティングという言葉は定義が多様すぎて自分の仕事が何なのかわからなくなったこともありました。それでも、自分の経験から、なんとなくマーケターという職業の全体像が見えてきたのでまとめることにします。

「マーケティング」という言葉を使うことは本当に難しい

ときどき就活生の方や、転職活動をしている方に「マーケティングに興味があって…」と言われるのですが、マーケティングが指す範囲はかなり広いので、もし就活したり転活したりする時に、どういうマーケターになりたいのかということを言語化できると強いのではないかと思います。正直に言うと、自分自身も転職活動の面接で「あなたの言うマーケティングって何ですか?」と詰められてうまく説明できなかったことを思い出して、自戒も込めて書いています。のでご参考まで。

ちなみに、就活生の方、大学生の方にお伝えしたいのは、学生の頃、かなり本格的にビジネスをされていた方を除いては、簡単に就活の面接で独自のマーケティング論を語ったりしないほうが良いということです。以前自分の上司が新卒採用の面接をしてきた後に言っていました。「サッカーやってたって履歴書に書いてたからどんな話が聞けるか楽しみにしてたのに、浅っさいマーケティング論語ってきたから即落としちゃったよ。」と。実際に仕事でマーケティングに関わったことがない人が、本業でマーケティングをやっている人にマーケティング論を語るのはあまりにリスクが大きすぎます。ので、マーケティングに興味がある方も、マーケティングの内容は勉強しつつ、あくまで自分の経験を中心に語り、少しマーケティングという仕事に絡めていく、くらいの気持ちのほうが良いのではないかと思います。

マーケティングの定義

まず、マーケティングの定義は何か。本当にこれは幅広いです。事業や経営全体を含むような視点で語られることもありますし、広告とかキャッチコピーの立案を指してマーケティングといわれることもあります。日本では、後者のやや狭い領域を指して「マーケティング」と言われることが多いようです。

自分の中の定義でいいますと、MBAのマーケティングの科目の最終試験で、「マーケティングとは何か、自分の言葉で説明しなさい」という問いに対して、以下のように回答しました。

マーケティングの目的は、その会社の商品・サービスによって、顧客に価値を提供し満足してもらうこと。そして、利益を生み出し事業を継続させることにより、顧客へ価値を提供し続けることである。そのためのマーケティングの役割は、Product(商品・サービスの開発と提供)、Price(価格戦略)、Place(流通チャネル開発)、Promotion(セールスプロモーション)を統合的に組み立て、実行することで、上記の目的を達成することである。

それって、事業そのものじゃん!という回答ですが、経営学的にはマーケティングといものはこのくらいの広い範囲を指して語られることになります。分野的には、財務と人事を除くほとんどがマーケティングに包括されると言えそうです。

ただし、若手の会社員がマーケターと名乗っている場合は、ここまで広い範囲の仕事を担当していることは稀だと思います。なので、キャリアとしては、分野をしぼったマーケターになって、そこから広げていく人は広げていくというルートにするのが良いと思います。ではどういう視点でマーケターという職業は分類できるのか、ということをまとめたのがこの記事の趣旨でもあります。

マーケターの分類

では早速、マーケティングという仕事を分類してみます。

業界

まず、マーケティングに限らずですが、あらゆる職種でのキーになってくる「業界」です。医療業界なのか、家電製品なのか、飲料などの食品業界なのか、教育サービスなのか。業界によってマーケターに必要な知見は大きく違います。その業界によって顧客も違えば、事業モデルも違うからです。WEBサービスなのか店舗ビジネスなのか、プロダクトがあるのかサービスなのか、などその業界や事業モデルで、まずは分類できますね。

形態

形態としていますが、要するにBtoB(顧客が企業)なのかBtoC(顧客が一般の消費者)なのかというところです。学生の方にとっては、BtoBはイメージしづらいかもしれませんが、企業向けにビジネスをするということはサービスの形も違えば、購入や利用を決める意思決定のプロセスも個人とは大きく違います。

範囲

事業を4P、つまりProduct(商品・サービスの開発と提供)、Price(価格戦略)、Place(流通チャネル開発)、Promotion(セールスプロモーション)に分けた時に、そのマーケティング担当者がどの部分を担っているか、ということです。大きな企業であればあるほど、特に若手の担当者が担う範囲は狭くなります。多くの大手企業や広告代理店で「マーケティング担当者」という人たちの仕事はPromotionだけを担っていることが多くあります。つまり、広告を考えたりキャンペーンを企画したりする仕事です。

市場

他の観点としては、どこの市場を相手にしているか、ということがあります。業界とも近しい観点なのですが、ここでは地理的な意味での市場にフォーカスしたいと思います。ある地域や都道府県だけなのか、日本全国なのか、もしくはグローバルな市場を相手にして考えるべき仕事なのかということです。「マーケティング」とはその名の通り、「市場=market」を相手にする仕事なので、どういった地理的な範囲を対象としてマーケティングをしているかも、大きなファクターになると思います。

媒体

最近では、WEB広告のプロモーションを指して、「WEBマーケティング」という表現をすることも多いようです。ただ、WEBというのはあくまで一つのツールであり、テレビ広告はもちろん、雑誌、新聞、ダイレクトメール、TEL、交通広告など、プロモーションのツールは幅広くあります。個人的にはこういった媒体(メディア)は、一つではなく横断的に企画を立てられるようでないとマーケターとは言えないと思うのですが、得意な媒体はもっていると良いと思っています。今だとWEBは間違いないと思いますが。

まとめ

こういった観点でマーケターという職業を分類していった時、自分自身は人材育成や教育業界のBtoBの国内市場におけるWEBやダイレクトメール、交通広告などのメディアミックスでプロモーション企画を立てるマーケターということになります。

このように、すでにマーケティング系の仕事に何らかの形で関わられている方は自分の現在の立ち位置を認識した上で、これから他の分野にずらしていくのか、それとも今の専門性を極めていくのか、というキャリアの検討ができると思います。また、これからマーケティングという仕事に就きたい方は、ご自身のこれまでの経験や興味と、上記の分類を照らし合わせて、ご自身がどのマーケターからスタートするのが合っているのかを検討するのが良いのではないでしょうか。

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