左バッターに転向して打率3割超する方法

左バッターへの憧れをもっている野球少年は少なくないはずです。それは天才バッター・イチロー選手が右投げ左打ちであることと、彼の流れるような美しいバッティングフォームの影響を受けていることは間違いありません。

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左打者論|打率3割超えの左バッターになる方法を考える

私自身もそんな野球少年のうちの一人でした。ただ、左バッターに代わることは簡単なことではありません。左バッターに転向して成功するかわからないし、そもそもふつうに打てるようになるまでに時間がかかるので、日々レギュラー争いをしている野球少年にとってその転換を決断することは簡単なことではありません。

しかし、私は大学生になってから(浪人したので当時20歳)思い切って左バッターに転向し、ある程度成功しました。もちろんプロ野球選手になったわけではありませんのであくまで一般レベルですが。

左バッターに転向してから2年ほどで、関西の大学野球1部リーグで3割以上の打率を残し、ベストナイン賞もいただくことができたのは事実です。

もう1度書きますが、左バッターに転向したのは20歳です。それまでおよそ10年間は右バッターだったんです。転向しようかなやんでいる方、勇気が出ませんか?(笑) その経験を踏まえて、5つのことをお伝えしたいと思います。

1.転向に向いているのは打力に自信がない人
2.左バッターでも「小技」だけに頼らない
3.結果を残すための戦術は「裏切り」
4.「両打ち」は成功しない。
5.左バッター成功のための必読本

1.左バッター転向に向いているのは打力に自信がない人

まず、どんな人が左バッターに向いているのでしょうか。ひとつは「足が速い人」です。これは言わずもがなかもしれませんが、左バッターのバッターずボックスは1塁ベースに1歩近いです。なので、必然的に足の速い選手にとっては内野安打が生まれやすくなるので有利になります。

特にずば抜けて速い必要はないと思います。人より少し速いだけでも内野安打は増えます。私自身、50m走のタイムは6.4秒くらいで、特別速いわけではありませんでしたが、シーズンによっては安打数のうちの約半分が内野安打だったことがあります。右バッターのままだと、打率が半分になっていたかもしれません。

もう1つ、左バッター転向に向いている人、それは「打力に自信がない人」です。全国の野球少年は誰しもが思っていると思いますが、野球のバッティングというのは本当に奥が深く難しいものです。例えば小・中・高と10年野球を続けていても、体格が大きくなかったり、力が弱かったりするとなかなかバッティングでチームをリーディングしていくことはできません。

しかし、そういう人こそ、左バッターに転向しても「失うもの」はありません。転向してから試合で打てるようになるまでにはどうしてもある程度の時間がかかります。しかし、元からバッティングだけが売り、という選手でなければ、守備・走塁でチームに貢献し、存在感を示しつつ、じっくりと打力を養成していけば花開くタイミングは必ず来ます。

また、バッティングに自信のない人は、バッティングフォームに何かしらのクセがあり、それが打力の成長を妨げていることがよくあります。私自身も、中学生の頃から打つ時に右肩が下がるクセがどうしても治りませんでした。長年体に染み込んだクセというものはなかなか治らないのです。

しかし、左バッターに転向すると、よくも悪くもまたゼロからスタートできます。長く野球をやっていればいるほど、自分のなかにバッティング理論もたまってきています。その知識をフルにつかって、ゼロベースで自分の打撃フォームを作り直すことができるのです。それも、左バッター転向の大きな魅力です。

2.左バッターでも「小技」だけに頼らない

足が速い選手が左バッターに転向した時に陥りがちなことは、内野安打やセーフティーバントなど、「小技」に頼りすぎるようになることです。

もちろん、足が速い選手にとってそれらの戦法は大きな武器になります。しかし、それしかできない選手には、はっきり言って価値がありません。ピッチャーを経験した人にはわかると思いますが、小技「しかない」バッターは怖くないのです。

打力もある程度あるバッターが、緩急として小技を使うからこそ、ピッチャーを揺さぶれ、結果につなげることができるのです。なので、打力の向上から逃げることなく、「人の3倍バットを振る」「当てるだけではなくバットを振り切る」「スイングスピードにこだわる」ということをしっかりやっていってください。

また、打力の向上を前提に、バントを磨いてください。左バッターに転向してバントもできないようだと、監督はその選手を使う理由がなくなります。バントは、「成功して当たり前」というプレッシャーがあります。その分、毎日の積み重ねが重要であることはいうまでもありません。

また、バントの練習は左打席からボールを見る、良い鍛錬になります。だからこそ、「毎日」マシーンなどを使ってバントをやってください。1週間に1日100球練習するよりも、毎日10球やるほうが効果があります。これは他の練習にも言えることかもしれませんが、1日練習をやらないだけで、その状態に戻るために3日は必要になると云われるからです。

3.結果を残すための戦術は「裏切り」

打力と小技、この両方を手にしてください。そうするとどうなるか。バッターボックスでの戦術が立てやすくなります。

私自身の場合も、おきまりの戦術がありました。典型的な非力な小技左バッターだった私は、相手ピッチャーの期待を裏切るために、初球のストライクをフルスイングします。基本、下位打線の非力バッターはピッチャーはなめてかかってくるので、ガンガン初球から振っていけば、それだけでヒットが生まれることがあります。そうでなくてもストライクゾーンに来たボールをガンガン振っていきます。結果はどうあれ、です。

そして2打席目。1打席目とはうって変わって、セーフティーバントの構えを見せます。ここでまたピッチャーの期待を裏切ります。初球がボール、2球目もしつこくバントの構えをしたらピッチャーが嫌がってまたボール。そうすると、ふつうのピッチャーは3球目はどうしても甘いコースにストレートが入ります。非力な下位打線に対してはなおさらその傾向があります。

その3球目を思い切りスイングしてヒットにします。ピッチャーはそれでガックリくるわけです。2球ボールが続いたときにはいつも打席で「しめた!」とニヤニヤしたい気持ちを抑えていたものです。左バッターに転向し、打力と小技の両方を手にすると、こういった戦術の幅が出てきます。ぜひ、自分なりの成功セオリーを確立してください。

4.「両打ち」は成功しない。

もう一つ、遅咲の左バッター転向者にお伝えしたいことは、「両打ちにはなるな」ということです。利き腕の逆で打てるようになるには、ただでさえ膨大な努力が必要です。そんな中で右打ちという選択肢を残していると、右打ちの練習もしないといけないので、単純に考えると練習量が半減します。

そして、人によっては右打ちが「逃げ道」になってしまうこともあります。「自分は左打席で打てるようにならないと生き残れない」と思うことが自分を引き締め、練習の効率を上げるのです。

5.左バッター成功のための必読本

冒頭で、「左バッターに転向すると、よくも悪くもまたゼロからスタートできる」と書きました。その際にぜひこの本を読んでください。

「バッティングの極意」手塚一志

手塚一志氏が提唱する「うねり打法」は、ネーミングから一見奇をてらったものに思えますが、そのバッティング理論は、人の体のつくりの研究に基づいて、しっかりと体系化されたノウハウだということがわかります。

たとえば、「最短距離でバットを出す」「腕をたたんでコンパクトに振る」という日本の野球の指導者たちが当たり前に教えている打撃セオリーも、人間の体のつくりを考えると合理的でないことがわかります。

本書を読むと、イチローをはじめとする有名バッターたちの流れるような美しいバッティングフォームが、いかに合理的に形成されたフォームかということがわかります。左バッターに転向して、バッティングフォームをゼロから作り直せるチャンスに、本書を読むことをオススメします。

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まとめ

1.転向に向いているのは打力に自信がない人。失うものは何もない。
2.左バッターでも「小技」だけに頼らない。小技は打力があってこそ。
3.結果を残すための戦術は「裏切り」。独自の成功セオリーを持つべき。
4.「両打ち」は成功しない。逃げ道になりかねない。
5.左バッター成功のための必読本は「うねり打法」

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